現世と異世界の交わる都、京都

日本は不思議な国。古来より、鬼や妖怪などの存在とともに生き、言霊や呪術などの見えない力を信じていました。特に、京都が都として定められ、華やかな文化が花開いた平安時代、その美しさとは裏腹に、魑魅魍魎たちが跋扈し、陰陽師が活躍し、政治家たちが呪術をもって政敵を打ち破っていました。京都はそんな名残を色濃く残した土地。今も京都の町中には異世界の入り口や、呪いの痕跡、魍魎に対抗する技が数多く残されています。普通の観光に飽きたあなたは不思議なスポット巡りをするのもいいかもしれませんよ!

一番有名なのは一条戻橋。晴明ゆかりのこの橋、平安時代は安倍晴明が敷き紙を飼っていたという伝説が。しかし、もともと、ここは死者の世界と生者の世界を結ぶ橋だと言われています。亡くなった方がこの橋を通ってこちらの世界に来るというなんとも不思議な言い伝えのある橋です。

貴船神社は丑の刻参り発祥の地と言われています。丑の刻参りとは有名な呪いの儀式。丑三つ時に白装束に身を包み、呪いたい相手に見立てた藁人形にくぎを打ち込むこの呪い、実は近年でも行われており、まだまだ目撃談が後を絶ちません。貴船神社の周囲の樹木には釘を打ち込んだ後が見つかりますので興味がある方は探してみてください。

六道珍皇寺の本道の裏にある井戸は異世界に通じる井戸と言われています。平安初期のとある学者さんはこの井戸を通って閻魔大王につかえていたとか…。もともと、六道珍皇寺と六波羅寺のある松原通らへんは「六道の辻」と言い、あの世とこの世の境目とも言われていて、亡くなった人との最後のお別れをする場所だったそう。五条坂から今熊野あたりは風葬地だったこともあり、百鬼夜行と出会えるかもしれない心霊スポット。8月7日~10日にかけて六道珍皇寺では六道詣りが行われ、あの世まで鳴り響く迎え鐘を鳴らし、死者の魂を迎えます。

京都御所の北東角は築地塀のかどっこが欠けてます。この角を「猿が辻」と呼ぶのですが、ここの屋根裏には金網が張られ、中には木彫りの猿が安置されているのです。このサルはもともと鬼門を守る猿だったのですが、悪さが過ぎてここに閉じ込められちゃったそうですよ。烏帽子をかぶって御幣を担いだ立派なお猿さん、閉じ込められちゃってかわいそうですね。

何が何だかわからない系の不思議もあります。昔は車がなく、馬での移動でしたので、馬駐と言うところに馬をつないでいました。清水寺に、この馬駐があるのですが、そのつけ方が奇妙。5つあるうちの一つの向きが逆なのです。わざとなのか?それとも何か意味があるのか?清水寺の七不思議のうちの一つだそうですよ。

五重塔で有名な東寺には「猫の曲り」と呼ばれる場所があります。昔、東寺を囲う土塀の東南側に、虎の絵を彫った瓦があったのですが、遠目に見ると瓦の曲がった部分が猫そっくりで、その瓦のあった東南付近を「猫の曲り」と呼ぶようになったのだそうです。なぜ、この話が不思議かと言うと、猫の曲りの前を通ると不吉なことが起こると言われているから。今でも京都の人たちは猫の曲りを恐れているそうですよ。

四条通新町通から西洞院通に歩いていると、すごく細い路地があります。綾小路へ抜ける道なのですが、なんとなくそれまでと違った雰囲気を感じるはず。この路地、ちゃんと呼び名があって、膏薬図子とよばれ、小さな祠があります。ここはなんと!あの平将門がさらし首にされた場所!かつて、ここにさらされた将門の首は、朝廷を恨みながら空に飛び去って行ったそうです。